トピックス

2018.07.20

蕎麦処 咲

店舗外観神河町の日本遺産「銀の馬車道」沿いにある手打ち蕎麦の店、蕎麦処 咲は、銀の馬車道交流館のすぐそばにある古民家蕎麦屋です。ここは衣笠孝司(きぬがさたかし)さん、咲子(さきこ)さんというご夫婦が二人で経営されているお店です。

蕎麦へのこだわり

メニューこのお店にはいろいろなこだわりがあります。蕎麦粉は「丸抜き」と言われる「十割そば」、そば粉は主に北海道産を半分くらい使用し、残り半分は秋田、栃木などで育てられたものを使用していますが、季節によって収穫される量、味や風味も異なるので、なるべく味や風味が変わらないように気をつけてブレンドしています。水は神河町の南山(みなみやま)に湧き出る千ケ峰(せんがみね)の名水。この水をポリバケツを持って毎回取りに行きます。出汁にもこだわりがあり材料を吟味して使っています。また、蕎麦を打つ時の水の量は打つごとに違います。このお店では日に3回そばを打っていますが、気温や湿気によって、その都度使う水の量は微妙に違います。その微妙な違いは手の感覚で調整するそうです。

蕎麦以外にも店のこだわりが二つあります。その一つは奥さんが担当する天ぷら。この作り方は「企業秘密」ですが、奥さんが納得できる天ぷらを作れるようになるまで何度も何度も工夫をし、その都度揚げる天ぷらを食べすぎたご主人がついには痛風になってしまいました。

二つ目のこだわりも奥さんの手作りの蕎麦粉だけで作るシフォンケーキ。これには衣笠さんご夫妻のそばに対する思いがあります。お二人にとって蕎麦の原料になる蕎麦粉は北の大地や山間地で自然の恵みを受けながら大切に育てられた子どもから作られたようなものです。でも、お店で蕎麦を作って出してもすぐに売り切れになる日もある反面、売れ残る日もある。そんな売れ残った蕎麦をそのまま捨てるのは可愛そうなので、何か工夫ができないかと奥さんが考えたのがこの蕎麦粉100%のシフォンケーキでした。幸いお店の蕎麦は混じり気のない十割蕎麦なので、それをもう一度蕎麦粉に戻してケーキを作りお客さんへのサービスデザートとして出しています。何回も何回も試作を重ねて生み出された100%蕎麦粉のシフォンケーキは数量に限りがあるため、シフォンケーキだけ欲しいというお客さんがお店に来られるのですが、残念ですが、売っていただけないそうです。

蕎麦打ちを始めた動機

ご夫婦
お二人は隣町の旧山崎町(現宍粟市山崎町)の出身で、ご主人は会社員で群馬、千葉、栃木、岩手などを転勤で転々としていて、関東地方には合計17年間暮らしていました。その中でも栃木には8年間暮らしていました。ある日奥さんが那須塩原市の広報誌で「蕎麦打ち教室」の生徒募集をしているのを見つけました。普段、休日になるとゴルフなどのアウトドアの趣味に興じて家にいなかったご主人に、家ででもできるインドアの趣味を持ってもらうため、奥さんが勝手に那須塩原市に申し込んだそうです。
最初は勧められるままに週に1回、3週間のコースに参加したのですが、そこで蕎麦打ちにハマり、道具を買い揃え、結局、10年間蕎麦打ちを修業することになりました。奥さんも今まではご主人がゴルフに出かけている間は、家でひとりで過ごす生活だったのですが、それからはご主人と那須塩原市に一緒に出かけ、ご主人が蕎麦打ちを習っている間、のんびりと温泉に浸かった後、ご主人が打った蕎麦を食べて帰るという生活に変わりました。その後も、ご主人は毎週自宅で蕎麦を打ち、奥さんに食べてもらうという暮らしになりました。まさに、奥さんの願い通りになったわけです。

神河町の町家で蕎麦屋を開業

店内

定年をあと数年後に控えた頃、ようやく関東での生活を終えて故郷の宍粟市に戻って来て、定年後何をしようかと二人で話していた時、神河町が空家創生事業の公募をしているのを新聞の片隅に載っていた記事で知りました。2016年の冬のことでした。まだ、定年までは時間もあったので特にこれといった考えはなかったのだけれど、隣町と言っても今までに来たことのない町だったので見物がてら二人でやって来て、町役場を訪ねました。
すると、驚いたことにこの事業への応募者は衣笠さんひとりだけでした。で、それなら蕎麦屋でもやってみようかということになり、申し込みをしました。すると、その年の11月1日には神河町で、衣笠さんの申し込みを承認してくれて、翌年の4月から開業してほしいとの話でした。

まだ、定年退職には時間があるのに、それからが大変だったそうです。とにかく、店を開業するために内装を改修してもらい、什器を揃え、店の名前も奥さんの名前をとって「蕎麦処 咲」に決め、ようやく4月1日にオープンにこぎ着けました。でも、まだ、会社に勤めていたため、月曜日から金曜日は会社に出勤し、「咲」は土曜日の午前11時に開けて売り切れたら看板にするという生活が4年間続きました。そして去年3月末で長年務めた会社を晴れて退職し、神河町に引っ越して来て、週のうち金曜日、土曜日、日曜日の3日だけ営業をしています。手打ちの蕎麦や出汁、天ぷらやデザートのシフォンケーキへのこだわりから一日20食に限定しています。予約だけでその日は終わり、ということもあり申し訳なく思っているそうで、お出でいただく前には、是非、電話で蕎麦が残っているかを確認してくださいとのことでした。

神河町に住んで

まだ1年少しの期間しか神河町に住んでいませんが、とても住みやすいところだと感じておられます。週のうち1回は山崎町をたずねます。木曜日は終日準備をし、営業日が終わる月曜日は「死んでいる」そうです。会社員時代は転勤で友達もできませんでした。でも、神河での生活は楽しく、「こういう蕎麦屋の人生もあったんや」と思っては、とても不思議な気がするそうです。

お二人の蕎麦屋にかける夢はささやかなものです。「売れても売れなくても、儲けにならなくてもいい。二人でして二人で終わったねと言える蕎麦屋にしたい」。奥さんの言葉を借りると、「二人だけで終わる蕎麦屋」だそうです。ささやかだけれどとても楽しく優しいお店です。
蕎麦処 咲

〒679-2413 神崎郡神河町中村80
TEL:090-7839-0457
営業時間 :11:00~14:00
営業日:土・日のみ営業
★限定20食

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