リレーエッセイ
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神河町シングルマザー移住支援事業総合アドバイザー 北岡 孝統

2018.07.20

神河町シングルマザー移住支援事業について その①

事業のはじまり

このサイトはシングルマザーの移住支援のための専用サイトです。今まではこの事業をすすめている兵庫県神河町のホームページの一部として掲載されていたので見にくかったのですが、この度独立したサイトととしてホームページができました。これから色々な情報を提供していきます。

あまり聞きなれない「シングルマザー移住支援」のためのこの事業は、2015年11月11日に始まったと言うことができます。この日は、アメリカのシアトルで16年間勤務した後に兵庫県にある大学で教えることになった私の帰国祝いを昔の仕事仲間が神戸の居酒屋で開いてくれました。当時の私たちは兵庫県の総合的な行政計画を作る仕事に携わっていて、その大きな柱のひとつに、経済的に発展した阪神間と人口減少がめだつ中山間地域や日本海に面した地域の格差是正を図るための様々な交流実現がありました。

二十数年ぶりの集まりで、みんな懐かしく色々な話題についてあれこれ話したのですが、この仲間の中に当時の神崎町(今は旧大河内町と合併して神河町になっています)から研修で派遣されていた真弓さんと言う神河町の幹部職員がいました。神河町が抱える大きな悩みは若者の都市部への流出と地元の高齢化で、そのために農業移住者や空家改修をしてレストランなどの店を経営する移住者事業をしているが、例えば、アメリカでは面白い事例はないだろうかと言う話題になりました。アメリカはもともと移民の国で、仕事を求めてあちこち移動するのが普通です。ニューヨークの警察官が条件がいいシアトル警察の職員になるために約2,900マイル(約4,700キロ)を車で何日もかけてやって来たケースもあります。これは女性やシングルマザーでも普通のことで、知り合いのシングルマザーはシアトル郊外の町からカリフォルニア最南端の街サンディエゴまでの約1,300マイル(約2,100キロ)を新しい仕事を求めて子どもを車に乗せて引っ越して行きました。

こんな話をしながら、日本では仕事で大都市に引っ越す以外は男女を問わずあまり移動しないけれど、いっそのこと神河町へシングルマザーに引っ越して来てもらう事業をやってみたらどうだろうかと提案をしました。でも、その時は仲間内での飲食をしながらの雑談めいた話だったのでみんなそれほど真剣に議論することもなく他の話題に移っていきました。ところが、それから数日後に真弓さんからメールが届き、先日の提案を上司の藤原さんに相談した結果、もう少し話が聞きたいと言ってこられ、11月25日に私の研究室に二人で訪ねてこられました。そこで色々お話しして、「シングルマザー移住支援事業」と言う仮のタイトルでもう少しまとまった提案をすることになり、その提案などを元に神河町の役場内で数ヶ月をかけて議論をされ、政府の内閣府地方創生推進交付金申請などの労力をかけて予算も確保し、2016年4月から神河町の「シングルマザー移住支援事業」が正式に始まりました。

気軽に神河町へ引っ越そう

「移住」と言うことばを国内のある町から他の町へ引っ越すのに使うのには少し違和感があります。もともと移住と言うことばは、ある国の国民が自分の国籍を変更したり永住する許可を得て他の国に移り住むことを意味します。それを同じ国の国民が暮らしの拠点を変更するだけで移住と言うのはおかしいように感じます。このような場合、英語では極簡単にムービング(moving)と言うだけでイミグレーション(immigration)とは言いません。ご存知のようにムービングの元の動詞はムーブ(move)で、動く、引っ越すと言う意味です。でも、日本語では役所用語に見合う適当なことばが見あたりません。「引っ越し」「家(や)移(うつ)り」「転居」「転住」「移転』など色々と考えれますが、これと言ってぴったりなことばがないために「移住」が使われるようになったと思います。

「シングルマザー移住支援事業」と言うと、いかにもかた苦しい事業名ですが、これはシングルマザーの人たちが新しい仕事や暮らしのために神河町へ引っ越して来ることをサポートする取り組みなのだと気楽に考えていただきたいと思います。

「移住」と言うことばを聞くと何かとても「ハードルが高い」と感じてしまいがちです。それは多分昔の文字通りの農業移民を思い浮かべるからかもしれません。昔、日本が貧しかった頃、明治から大正、昭和のはじめにかけて、ハワイやカリフォルニアといったアメリカ、あるいはブラジルやボリビア、チリーなどの南米諸国へ移民した日本人は肉体労働しかつくべき仕事がなく大変過酷な生活環境で頑張り、数世代をかけて今日の日系人としての高い地位をそれぞれの国で確立しなければなりませんでした。でも、今の日本人移民は「資本移民」と呼ばれる創業資金を十分に持って諸外国に移民したり、高い学歴や専門知識を身につけて移民し、当初から社会的にも経済的にも恵まれた生活を実現している人々が沢山います。神河町へのシングルマザーの移住も、現在の都市での生活では実現できない、より豊かな生活を経済的にも時間的にも子どもとともに実現してもらえるようにとの願いを持ってすすめられています。

中山間地域とか人口減少に悩む過疎の町などと聞くととんでもない人里離れた地域のように感じます。でも、神河町は違います。このホームページでも詳しく述べたように、神河町は兵庫県のほぼ中央部に位置していて、世界中からの観光客で溢れる国宝であり世界遺産でもある姫路城がそびえ立つ姫路市から電車で40分のところにあります。また、JR姫路駅から普通電車のうち日本で一番早い「新快速」に乗れば、乗車賃だけで神戸の中心地まで40分で到着します。週末は子どもと一緒におしゃれな街をぶらついて好きなショッピングや食べ物を楽しむことができます。また、ちょっと旅の気分を味わって温泉につかるなら鈍行列車に乗っても1時間半で城崎温泉に着けます。1,400年前から親しまれてきた城崎温泉は、旅館に泊まらなくても「外湯」と言われる浴場が7箇所あり、共通券を買えば格安に、それぞれに異なった趣のある温泉を日がな巡っていることができます。神河町は「移住」と言うことばのイメージとは異なり、都市生活と田舎暮らしの両方を十分に味わうことができる町です。

北岡 孝統(きたおか たかのり)
1948年2月24日生まれ

北岡 孝統
学  歴:
関西学院大学(国際経済学)学士
神戸大学(数理経済学)学士
ワシントン州立エバーグリーン大学公共政策研究科(MPA)(修士)
ハーバード大学イェンチン研究所客員研究員(日米における行政の比較研究)
職  歴:
兵庫県庁(1971年入庁)
知事公室外務課、商工労働部商業貿易課、知事公室秘書課(坂井時忠知事秘書)、企画部企画参事(兵庫県総合計画・水資源計画及びエネルギービジョン担当)等を歴任
渇水対策本部渇水対策課長(1994年発生)
阪神・淡路大震災復興対策本部復興計画課長(1995年発生)
兵庫県米国ワシントン州事務所(兵庫県経済文化センター)所長として渡米(1998年〜2013年)
関西国際大学グローバル教育推進機構教授(グローバル教育センター長)(2014年〜2017年)
現  在:
オルタナティブス研究所代表
シングルマザー移住支援事業総合アドバイザー(兵庫県神河町)

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